高校化学は暗記が勝負の科目です。受験において、センター試験レベルから東大レベルの化学まで基本的に出題形式はパターン化しているので、基礎基本をしっかり習得できるような勉強方法でとりくめば、化学の場合大学受験を乗り越えるレベルの学力は身につけることは決して不可能ではありません。
僕は1年間ほど個別塾講師で化学を受験生に教えたのですが、この勉強方法で一貫して化学の基礎を叩きこませたところ、ついてきてくれた生徒全員、半年で化学の偏差値が20ほど爆上げしました。またこの方法は僕が実際に高校で部活をやめてから受験までの半年間で、化学式をやっとこさ覚えたレベルから偏差値75まで引き上げた勉強方法です。
まじで自信を持ってこの勉強方法をお勧めします。
基礎を固める
化学の勉強はとにかく一貫して基礎を抑えることが大事です。学校で最初にもらえる『セミナー化学』のレベルの問題を、自分の血肉となるまで徹底的に叩き込むことが重要になってきます。
早慶はおろか東大レベルの試験でも、『セミナー化学』レベルの問題でも完全に解けるようになれば、6割は必ず取れるようになります。
センター試験でもこのレベルの問題集を完全に解けるようになれば、満点必ず取れます。センター試験は教科書に載っている内容に即して国の機関が厳重に作成しているので、教科書から踏み込んだ内容は一切問われません。
そのため、学校で配られる問題集1冊を完璧にこなせば絶対に満点取れます。(市販の問題集だと範囲の抜け漏れがあることがありますが、学校で配られるものなら問題ありません)
国立医学部や東大を狙っている人は、まずこのレベルの問題集を完璧にできるようにすることで受験で合格するにに必要な化学の実力の80%までは高めることができます。
最近改定された本ですが、『化学の新標準演習』は網羅性・解説の濃さ・関連知識の充実度にすべてにおいてセミナー化学をうわまっているので、基礎固めの一冊としてめちゃくちゃお勧めです。僕も塾講師時代は生徒にこの本を買ってもらい、この本に基づいて講義をしていました。
あせらないで基礎を反復する
受験が近づいてくるとどうしても焦る気持ちになってしまいますが、焦ってレベルの高い問題集に手を出してしまいがちですが、コスパが悪いので絶対にやめましょう。大学入試の化学においては、応用問題もほとんど基礎の組み合わせでできているので、基礎ができていないと難しい問題の解答を噛み砕くのに時間がかかります。そのため、・基礎を勉強したほうが時間的に効率がよかったり、解答の理解が曖昧で結局自分の力になっていないことになってしまいます。
僕が塾講師で多くの生徒を見てきた結果、焦って難しい問題に手を出した生徒は志望校に落ちてしまっている子が多かったです。なので僕が指導する子には、本当に言い聞かせて難しい問題はほとんどさせませんでした。難しい問題はむしろ基礎の定着力を図る指標として2週間ごとに数問解かせるようにしました。
結局基礎が理解できていると、演習問題が初見でもほとんど解けるようになっているので心配はいりません。とにかく基礎を何度も反復するようにしましょう。
最低10分は考えてから答えを読む
最低何分考えるかについてはいろいろな意見があります。『考えずにとにかく答えを暗記したほうがよい』『最低30分は考えてから答えをみるべきだ』など対局意見などがごろごろあるので、どういう風に勉強をすればいいかわからない受験生も多いと思います。
僕は生徒に関しては問題演習は基礎の理解が済んでから行なわせていました。未修の分野に関しては、まず教科書を徹底的に読ませてから問題演習をさせました。
問題にぶち当たりながら暗記していく方法も確かに実力がつくのですが、教科書を暗記してからのほうが学習効率は高いです。なぜなら、教科書は読めば読むほど知識が体系的に入ってくるように作成されているからです。
問題集で学習すると知識がバラバラに入ってくるイメージで、教科書を読むのは知識を線で覚えるようなイメージです。バラバラに入った知識はそれを関連つけたりするのも自分で行なわないといけないので、少しひねった問題の出され方をされると答えられなくなります。
教科書は文部科学省が抜け漏れなく体系的に書かれているので、実はかなり勉強に焼く立ちます。わからない範囲も教科書を読み直してみると意外と知識がスッキリしますよね。
教科書勉強→基礎問題集の反復が化学の勉強の基礎です。
応用問題にトライする
基礎が自分なりに固まった!と思ったら初めて応用問題にトライすることができます。ただ本当に基礎が十分できてから初めてください。入試で合格点を取るレベルだったら、東大・私立医学部でも基礎問題集レベルで問題ありません。焦る必要はないので、本当に化学の基礎が全部わかった状態で次に進みましょう。
応用問題では、大学の過去問が含まれているような問題集がいいでしょう。多くの学校で高校3年に配られる化学の重要問題集がおすすめです。
この化学の問題集は、都内の開成高校・筑駒・駒東といった私立名門校を始め公立・私立を問わず多くの高校で演習用の問題集として使われています。
そのため、もし演習用の問題集を探していれば重要問題集をやることをおすすめします。入試ではみんなができる問題を確実に解ければ基本合格することができる(2次試験の場合合格基準がほとんどの大学で55%から75%なので)ので、多くの人が使っている問題集を自分もするってのが結構効いてきます。
演習の位置付けは基礎の確認
もし基礎が完璧にできていれば、恐ろしくこの問題集が簡単に感じるはずです。初見でも8割以上はできると思います。むしろ8割以上できない場合は、まだ基礎が身についていなかったり、苦手な範囲がある証拠なので基礎の段階に戻って、まだ基礎固めに徹してください。
僕は授業で基礎を徹底的に抑えてから10月以降にこのレベルの問題集を生徒にやらせていたのですが、手が止まることなくスイスイ解けていました。
このレベルの問題集は、実際の入試を想定して作られているので、いかに基礎を抑えることが化学の勉強の本質かわかると思います。
間違えた問題はその対応する基礎問題集の部分を徹底復習
重要問題集など演習レベルの問題集をやっていると、たまに基礎で出てこなかった問題や頭をひねっても手が止まってしまう問題にぶち当たることがあります。でもそれが伸びしろです。対応する基礎問題集の部分に戻って、基礎基本に抜け漏れがないかチェックしましょう。あ〜すっかりわすれてたー!ってのが必ず出てくるので、それを抑えた上でまた応用問題にトライすると、前よりは理解が深まっていることが実感できると思います。このように、基礎問題集⇄応用問題集の往復が確実な基礎力・応用力をつけるうえで非常に大事になってきます。
同じ応用問題集の位置付けで、こちらの基礎問題精講でも代替可能です。解説が口語調でとっつきやすいので、重要問題集の堅苦しい雰囲気が好きじゃない人はこっちで勉強することをおすすめします。
入試の化学の場合、ここまでの基礎・応用ががっちりできれば日本の大学なら東大理III以外だったらどこでも突破できる実力がつきます。
たまに東大志望の人の受験生や高校生が、他の地方大学を目指している人よりも成績が伸びないなんてことがありますが、その原因の大半は難しい問題に手を出しすぎているってことです。
あせらず基礎を固めることが遅く見えて最短距離なので、ゆっくり地に足をつけて化学の勉強をしましょう。
僕は2学期の期始めテストで4点を取った状態からスタートしたので、はなから応用問題を捨てて基礎を磨きあげることに徹したのですが、それが功を奏して結果的に偏差値40以上爆上げしました。みなさんでも全然できると思うので、基礎を本当に大事にしましょう。